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まいにちいっしょうけんめい 


by きりこ
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うまれる④




何度も言うけどわたし陣痛が弱くって
「もうだめー」って感じはしなかった。
でも、今まで生きてきて感じたことのない
違和感と痛みとだるい感じはどっさり感じました。


「良い陣痛を待つ」って工程が長丁場になった。
(子宮口は柔らかいし、開いてるのにねー)
勤務時間の兼ね合いで担当の看護師さんが
幾人か変わったことで、言うことがそれぞれ違って
「えーなんなん、さっきの人と違うじゃんか」とか
あーしてみましょう、こーしてみましょうって
教えてくれることもちょっと笑けてきて
逆にすっごくすっごく冷静になってました。

しんどいのに変わりはないんだけど
「ダメ、きっと普通分娩じゃ無理じゃろー」
「産まれる気がせん」 心のなかでは思ってました。
「だいじょうぶかなー」他人事のようにも感じてました。



22時過ぎくらいにやっとこさ「うぶごえルーム」へ
分娩台まで歩く…陣痛室の斜め前だけどしんどい。
ギリギリまで陣痛室でいよいよ出産ってときに
分娩台に移動するって説明を受けてたので
移動しましょうって聞いたときは「やったー!!!!」って思った。
「あとちょっとーあとちょっとー」って自分に言い聞かせた。
ゴールが見えると人ってがんばれるものなんですよね。
わたしも力をふり絞って分娩台に上りました。
「陣痛きてもまだいきんじゃダメですからねー」
「旦那さんはここに立ってくださいねー」
あわただしく準備がすすんでゆく間も
彼はわたしの手を握って励ましてくれました。

末っ子の甘えん坊のわたしは、
どうやったらこのしんどい状況を終わりにできるか
そればっかり頭のなかでぐるぐる考えてました。
ほんと冷静に。

新人看護師さんがダメを出されてるのがすっごく気になった。
「ここで叱るなよー」って冷静に思ってた。
今思うと集中力を削がれるようなことけっこうあったなー。
というか、そっちに気が行くってことは陣痛が弱かったんだね。
「スイカが鼻から出るー」なんて痛みなかった!


バースプランで好きな音楽をかけてもらうようにした。
だから夫が編集したCDを渡した。
うまれる④_b0115658_23172145.jpg

このメッセージ、産んだあとに初めて見た(笑)
産んだあとにこれ見て号泣した。
ありがとね!




JAZZやらの入ったオシャレコンピをガンガンにかけてもらっていきむ。
いきみにも指導が入りました。
「んーーーーーって声に出して言わない」
とかなんとか、、、「うん、今のは良いいきみだったねー」とか。
血圧が相変わらず高くて頭が痛かった。
冷静に「脳みそプチンといかんかなー」って心配だった。
(もはや全く集中できず)
陣痛ってね、普通は間隔が10分、5分、1分とかって縮まってゆく。
子宮の収縮と弛緩をくり返しながら
赤ちゃんを押し出すようにお産はできてるのに…
わたしの場合は陣痛も弱いし、
陣痛の間隔も縮まらなかったんです…。


陣痛がきていきんでも弱い陣痛だから押し出す力も弱い。
それに、立て続けに次の陣痛がこないからまた奥に戻っちゃう。
陣痛が10分間隔のままけっこう長いことがんばったかな?
吸引しますとかなんとか、聞こえたけどよくわからんかった。
「こんなん使わず自然に産みたいなー」って
妊娠中雑誌を見ながら思ってたのにイロイロやった。


23時すぎくらいかな?
「あと何分かかりますか?」先生に真顔で聞いた。←(笑)
ゴールが見えないとやる気なくなってくじけるタイプだから、
そこらへんは明確にしときたかったんですよ。
「何分とは言えない。もっと赤ちゃんに会いたいと願って!」
そう言われて「これ以上会いたいって思えんくらい会いたいわー」
そう思って涙がボロボロでました。


たっくんはずーっと手を握ってくれてた。
「さなーありがとうなーありがとうなー」
彼がいちばんがんばったんじゃないかな?


なんかいっぱいがんばったあとに、
先生からいろいろ説明があって
「赤ちゃんの命を優先にします」ということで
緊急で帝王切開にすることが決まりました。


彼は「あんなにがんばったのにさな大丈夫かな?」
「さな、落ち込まないかな?」って心配してくれたらしいんだけど、
当の本人はケロっと「ほらねー!無理だと思ったもん!」
「早く帝王切開に切り替えてほしかったー」と思ってました。


で、ここからがまた長い。
わたしは分娩台の上で「微弱陣痛、分娩停止」
ということで緊急帝王切開ということになったと説明を受け、
夫婦共に書類に直筆でサインをしました。
「え?今?後じゃダメなん?」とちょっとイラっとしました。
だけど大切な書類だもんね。
サインをした後分娩室の隣の部屋で10人くらいの
看護師さん、助産師さんがあわただしく準備をしてました。
その間も微弱ながら陣痛はくるんです。
でも「いきんじゃダメですー絶対ダメですー」
そう言われてあっちにもこっちにも行けないような
なんて言ったらよいか分からない「無」の時間を過ごしました。

剃毛するんですね、おなかを。
新人ぽい看護師さんがソロリソロリやってくれた。
ふーぅ、ふーぅ。
わたしは陣痛を逃すのに必死でした。


「準備ができましたので移動しましょう。
はい、右足から降りましょうかー」
えー?歩きで移動ー?(笑)
こんなに苦しいのにー?(笑)
コントみたいな二度見しちゃったよ、看護師さんを。
分娩台がシャーン!ってそのまま手術ベッドになって
そのまま移動してもらえるなんて甘い想像してたもんで。
なんか笑けてきた。

ソロリソロリ隣の部屋へ。
手術台へ寝転んで、
真っ裸になって術着に着替えて…。
しんどかったー。


ひざを抱えて丸まった状態で腰の辺りに麻酔。
「早くー早くー」って思ってたから
(さっきから思ってたからって打つと「思って宝」って出るーもーう!)
全然怖くないし、痛くなかったです。


「これ冷たいですか?」
「何か感じますかー?」
麻酔が効いてるか確認をしました。
足を持ち上げて置いたときに「ブリーン!」って
自分が全身ゼリーになったようなおかしな感じがしました。

こっちの部屋ではブラジリアン・サウンドをガンガンにかけてもらった。
手術前になにやら読み上げる。
こうこうこうでこうだから手術をします、みたいな。
ずーっと冷静だったけど妊娠中お世話になった先生たちや
夢見たお産のシーンとの違いを思うとなんか悲しくなって泣いた。


「もうみなさんにお任せしようー」
ウトウト眠りそうな気持ちいい感覚になって
ボーっとしてるときに看護師さんが頬を叩いてくれて
「もうすぐ会えるよ!出るよ!」そう教えてくれたんです。




日付け変わって0時28分。
かわいい我が子やっと会えました。


カンガルーだっこも、
へその緒カットもできなかったけれど
無事に生まれてきてくれてよかったー!!!!

わたしの隣に連れてきてくれました。
目が合ったときふてぶてしい顔をしてました。
第一声、泣くまで少し時間がかかったので
少し心配したけれど元気丸はげんきいっぱい
ギャーーーーーーーー!!って泣いたよ。


外で待ってる夫くんと義両親に悪いことしたなー
そう思ったのを最後にぐっすり眠ってしまいました。



++++++++++++++




帝王切開で生まれた子ってね、
肺呼吸が下手だから保育器に入るんですよ。
でも、元気だから心配ありません。と説明があった。
わたしも術後動けなかったから
はじめて我が子を抱いたのは2日後でした。


お義父さんが撮ってくれて、
届けてくれた産後すぐの我が子の写真。
これを見ながら「あー赤ちゃん産んだんだなー」
やっと自分が母になったんだと実感したような…?
うまれる④_b0115658_0284299.jpg

「この子かー、おなか蹴ってたのはー!」
なんか不思議でしたよー。
だってもう胎動ないんだもん、ね。



+++++++++++++++


あ、元気丸が「んーんー」言ってる。



続きはまた書きます。
おやすみなさい。
by 55KIRI | 2011-12-21 00:38 | うまれる